こんにちは、小林です。
あっという間に夏休みが終わろうとしています。この夏は対馬市のインターン・学生実習に参加してきました。実習の内容は盆踊り保存活動支援です。かつて対馬の多くの集落で継承されていた盆踊りですが、現在は5集落で引き継がれるのみになっています。そのうちのひとつ三根上里集落における盆踊り保存活動に参加し、練習風景や本番の映像記録、名人の長老へのインタビュー、集落内での聞き取り調査を行うのが主な実習内容です。
美しい集落の風景
調査を行うと、社会変化によってかつてと同じように盆踊りを継続していくことは非常に難しいことがよく理解できました。変化させないこと、変化を許容すること、そういった狭間で盆踊り保存に情熱を注ぐ方々が活動されている。継承が途絶えることは簡単です、しかし各集落で民俗知として受け継がれてきた文化の価値を集落の方々自身が認め保存に奔走する。聞き取りでも熱い思いを聞くことができました。若い世代の参加もみられ、今後が楽しみです。
実習の大きな任務のひとつに、盆踊りの残る他集落での盆踊り本番の見学がありました。奉納場所も集落によって違ったり、漁港で行う集落、田んぼの中を練り歩く集落など、集落の立地によって盆踊りの様子も大きく異なりました。演目も違います。
吉田集落の盆踊り
そして上里集落の盆踊り本番。私も役をいただき行列に参加させていただきました。対馬の盆踊りは、各集落で脈役と受け継がれてきた厳粛なものです。行列や舞のそこここにそういった厳粛な雰囲気がたしかにありました。虫の音だけが響く静謐な夜、たいまつが何箇所にも掲げられ、そのなかを奉納場所へ練り歩く。華やかかつ幽玄な舞。最後に再び集落内を歩き、「アラアラホーイ」という叫びが近隣の山にこだまする。目頭が熱くなりました。
今後もこうした保存活動で自分ができることがあれば何でもやらせていただきたい、そんな思いを強くしました。三根上里集落のみなさま、本当にありがとうございました。
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