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プロジェクト演習3:世界遺産班の取り組み①2015.8.23

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初めまして。藤原研究室の岩井と申します。大学院のプロジェクト3(宗像市が対象)で、「世界遺産と地域」班に所属しています。私たちの班は、神湊地区の景観整備をテーマにしていますが、世界遺産の構成資産がある大島についても調査しました。以下に現在まで調査したことを書きます。

7月28日、文化庁文化審議会において、今年度の世界文化遺産の国内推薦候補として「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群が決定され、平成29年の世界文化遺産登録を目指します。九州北部に位置する宗像・沖ノ島地域には、国内最大級の祭祀遺跡である沖ノ島やその祭祀に関わった古代有力氏族の古墳群が保存されています。宗像・沖ノ島と関連遺産群は,、4世紀から9世紀までの500年間、航海の安全などを願い多くの装飾品などを用いた祭祀が行われていたことや、それが日本固有の信仰として今の残っていること、祭祀権を掌握した古代有力氏族に関連する遺跡群が遺され、現在でもその信仰や禁忌が継続されている貴重な資産です。登録を目指す構成資産は次の5資産です。 (1)沖ノ島(おきのしま) (2)沖津宮遥拝所(おきつみやようはいじょ)(大島にある) (3)宗像大社中津宮(むなかたたいしゃなかつみや)(大島にある) (4)宗像大社辺津宮(むなかたたいしゃへつのみや)(宗像大社 (5)新治・奴山古墳群(しんばる・ぬやまこふんぐん)(福津市

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私は宗像市役所主催の玄海地域と大島の景観まちづくり座談会(ワークショップ)や大島でのゴミ拾いボランティアに参加、みあれ祭も見ることができました。

2015年8月23日(日)第3回玄海地域景観まちづくり座談会(単独大島調査含)

2015年10月4日(日)第4回玄海地域景観まちづくり座談会(深田地区まち歩き)

2015年9月26日(日)宗像大島清掃ボランティア(単独玄海地域散策)

2015年10月1日(日)みあれ祭見学

2015年12月9日(水)第2回大島地域景観まちづくり座談会

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2015年8月23日(日)第3回玄海地域景観まちづくり座談会

クククショップのテーマは「交通・移動・道づくり」で、沿道景観、交通環境、アクセスの問題、賑わいづくり」について話し合われました。 宗像市民の方は一世帯につき車を2台はもっているとか。そんな中、車をもっていない私がどのように移動して、どのような場面に出会うかは、宗像市の交通事情をよくわかっていない一観光客の体験にもなるかと思います。 座談会会場である宗像市のむなかた館までは、博多駅JR九州鹿児島本線の快速に乗り30分、東郷駅で下車し、北口から西鉄バスにのって会場近くの宗像大社で下車。その後、徒歩5分ほどでむなかた館に到着します。只、バスは1時間に1本なので(他にもバスはあるらしいのですが土日祝は走ってない模様)、駅から宗像大社までのアクセスに関しては時間の余裕が必要だと思いました。

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前回までのふりかえりで参加者の意見として以下がありました。 「道の駅から神湊への海沿いの道を整えて多くの方に美しさ差さを知ってほしい」 「神湊通りの人通りが少なくなってすたれていることが残念」 「古代から現代までの暮しの延長が世界遺産ととらえる」 「地域の暮しは世界遺産登録への機運が盛り上がる前から続いているこのような機会に景観をよくしろと押し付けられることに違和感がある」 「農地を守ることには地域の負担になっている。でも守りたい」 「東郷駅から神湊まで続く69号線の景観は大切にする必要がある」 「神湊地区は空家問題がある」「神湊港渡船ターミナルの駐車場が少ない」 「若い世代が少なく地域を支える人材が不足している」 「米麦大豆の広がる風景は外から来た人にも魅力的」 「遊歩道や休憩所が整備されていても、利用されていない。さつき松原や鐘崎、承福寺や在自山など景色がよい場所が沢山あるのでマップや看板でPRしては。」 宗像大社周辺に生息しているホタルやタニシを看板や絵で説明・PRするのがよい」 古墳が分布している丘陵部から釣川のつながりが大切」

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◆「来訪者」がテーマの班では、住民の方から「宗像市民は一家庭に2~3台の車を持っているので、その感覚が当たり前になっている」 「東郷駅から宗像大社までのアクセスが悪い」「車社会なので年をとっても免許を返せない」「大学生で免許を持っていない人も大変ではないか」といった移動に関するお話が出ました。 「空家があるのでここ4つの大学の共通した活動拠点にしてはどうか」 宗像市にはJRの駅が3つあり、外の人が宗像大社にくるには東郷駅から一本化した方がいいのではないか」といった声もありました。 「さつき松原から「みあれ祭」をみるのもいい」 「玄海ロイヤルホテルから沖ノ島がみえる」 「ガイド体制はある。観光ボランティアもいるが共通の仕組みがない。一つのところで料金を支払えばすべて賄えるという仕組みがあればいいのではないか」 「鐘崎の方面に住んでいるが、ひと月に1回自宅を開放している。」 「承福寺の座禅、その後に食事をしたり散歩をしたりするのがよい」 「みあれ祭の時だけ混雑する。このみあれ祭は沖ノ島の御神体を宗像大社に持ってくるもので、船の数には見応えがある。今は海から上がって陸路で宗像大社まで持ってくるが、昔は釣川を船で上がってきていた」

◆「集落」がテーマの班では

「生活に浸使っている道路をどういう風につかっていくか。今後、世界遺産ということになれば、身近な生活道路に観光客や車が入ってい来るかもしれない」 「古民家に学生拠点をつくってほしい」 「樹齢400年のさるすべりの木が承福寺にある」 「ロシア人のアルメイダさんと言う人がいてピロシキを売っている。インターネットでも販売しているので見てほしい「イズバ」という名前である。このような興味深い人もいる。」 「独居老人が多いのではないか。」

「学生が将来I,J,Uターンでも返ってくる仕組みを作る必要がある。」 「露地や道を案内する案内人がいたらよいのではないか」 「大谷川沿にホタルがいるのでこれを多くの人にみてもらうのがよいのではないか」という意見がありました。 ファシリテーターの先生からは、生活の中で大切なこと、ロシア、ホタル、古民家 など整理して再生すると面白さを創造できるのではないかというお話がありました。

成果発表ー来訪者班 1)観光客がどれほど増えるのか、若い人がどうしていきたいのか、 2)この道はこうしていきたいを組み立てるべき、 3)アクセス、トイレ、駐車場のインフラを整備する、 4)宗像大社に来るのには東郷駅に集約する、 5)滞在時間が少ないのではないか、 6)さつき松原もみてほしい、 7)渋滞したり駐車場が足りなくなるのはみやれ祭のときだけなのでパークアンドライドの仕組みをつくれないかといった話がでました。

生活道路・露地班

①生活の道に資産がある。 知っている道を大事にしたい。 歴史・生活の中の道の位置づけをし直そう。 するとデザインの仕方が違ってくる。 名所・名人大切に。 掘り起し発信してゆこう ②承福寺の百日紅の話にあるように情景を大切に ③古民家再生ー外部の人と学生が使える拠点をつくろう。これは若者がUターンする環境を創ることになるのではないか。 ④サイクリングロードをきれいにしてほしい。 ⑤観光地化の程度、 →自分たちの暮しを車でおかさない仕組み →自分たちが大切にしているものを外部の人にも大切にしてほしい。 →いかにすりあわせをするか →学校などと連携して道をきれいに。 宗像大社と鎮国寺の橋のデザイン

商業班 宗像大社ー神湊をつなぐ道は外部の人にはわかりにくいのではないか。 ・商業施設側の意見を聞こう。 ・495号線の在り方をもう一度考えたい。 ・69号線の菜の花、蓮華、麦を復活させたい。 世界遺産を何に使っていくのかを明確にする必要がある。 ・東郷・赤間には西鉄バスやふれあいバスがあるがルートを整備してほしい。 宗像大社を観光客が時間をかけてみるまちづくりの基礎になるデータがほしい。 商業施設班は商業のみならず、今後の宗像大社周辺の在り方を話したようです。

来訪者班2つ目 ・日本古来のものを説明はしなくても感じ取れるようなことはできないか。 ・同じ海に面していても、糸島には若者が来るのにここには来ない。海に店を出してもらってそこを運営してもらうことはできないか。セレクトショップなど。 ・釣川をみあれ祭以外にも使うことを考えたい。 ・体験メニュー→カヌー、屋形船、など小さな利用を増やしていきたい。 ・車で来ても道の駅周辺を歩けるように、こだわりの店がほしい。 ・フェリー待つ時間を楽しく過ごしてほしい。 ・全国のアンテナショップをつくる、世界の物産館をつくりたい。

・自分たちの暮しを大切にすると同時に、これから20代30代の人がこの地に戻って来るための責任が私たちにはあるのではないか、この2つを同時に考えていきたい。 座談会ではこれらの意見が出ました。

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景観座談会の後は、ひとりで大島調査。夏休み期間中なので多くの人が来ていましたが、そのほとんどは、釣りができる「うみんぐ」を利用しているようです。

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夏季期間は世界遺産を巡るバスが二つありましたが、はこべる人数が限られており、乗車できない場合があります。1日3回の運行で一回に28人まで、時間は1時間20分程度なので、中津宮、沖津宮遥拝所、御岳山展望台、砲台跡です。ターミナルに帰ることを考えますと、一か所をゆっくりみることは難しいように思われます。 この1日3回の無料バスは、夏休み期間(8月中)は毎日運行、9月から11月までは土日の運行になるとのことです。

2つ目のまわるところは、港→中津宮→沖津遥拝所→乗り降り自由の大島中心部です。1日12便あり、同じ便でまわらなくても、時間をおいて次の便にのることができるので、ゆっくり見ることができます。

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中津宮ではボランティアガイドさんが案内をして下さいました。ガイドさんは、宗像市の赤間に住んでいて、ボランティアガイドをする時は、フェリーに乗ってきます。時間は午後4時までですが、ちょっと延長してくれます。いろいろ聞き、天の川付近の湧水を飲ませてもらいました。昔はみあれ祭の時に釣川を使っていたこと、移動は陸路より海や川を使う方が多かったということを聞きました。

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沖津宮遥拝所にはほとんど人がいませんでした。

無料バスは、大島の遠いところ、港ターミナルの反対側にある灯台には行ってくれません。遠いところに行く二は、タクシーしかないとのことでタクシーを使って観光案内してもらうと4000円かかるのだそうです。

大島にいって

①無料巡回バスはありますが、遠くの灯台まで行けないこと、

②そして、世界遺産の構成資産をみている観光客はそんなに多くないこともわかりました。

子どもを連れてのレジャーにうみんぐにきて、(又は町内か何かで来て)釣りをして楽しむ個人や団体が多いのではないかと思いました。 沖津遥拝所に行ってみて、この日は沖ノ島をみることができましたが、天気が悪ければ48キロ先をみることはできません。 玄海地域および大島の方々にとって、世界遺産よりレジャー施設がいいのではないか、世界遺産となる地元の人々の大切なものを観光の方々も理解することができるのかと思いました。

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